刺さないはり 刺さなくても効きます!
東洋医学の病理感は、人間生まれながらにして持っている生命力を高めることによって、病気を治し、すすんで予防する事にあります。ですから公害病やストレス、自律神経失調症やアレルギーなど原因不明とされている病気に対しても適切な治療を行う事ができるのです。 一方、西洋医学は病原攻撃を基本として成り立っていますから、このように攻めるべき目標のない病気に対して対症療法以外に治療方法がないのが現状です。そればかりか検査、投薬、手術と病気を攻めたてるあまり、体自体を痛めつけてしまっております。今や私たちの健康感は、自身の体質強化へと切り換えなければなりません。 |
陰陽論、五行論は中国思想、道教でもっとも基本的な考え方です。宇宙の始まりを太極(混沌)といい、それが陰と陽に分かれ、交わって五行を形成するとし、森羅万象はすべてこの陰陽五行に含まれるとしました。 陰、陽は互いに相、対する間柄で天と地、夜と昼、上と下、西と東、女と男などであります。この陰、陽が互いに拮抗しあう事で秩序を保っているとしました。 陽は動的、熱性で、能動的、積極的であり、陰は静的、寒性で、受動的、消極的であります。一般には陰、陽の働きが拮抗しバランスが保たれているとしますが、それだけでは充分ではありません。拮抗作用だけでなく、互いに融合しなければすべてではありません。男女の関係、夫婦の関係で考えると常に対立し、闘っていたのでは味気なく、つまらないものになってしまいます。融合する事で力が抜けよりよい関係が生まれるのです。自然界においてもそれがあるから安定が保たれるのです。 病気とは気を病むという意味で、陰陽のバランスが崩れた状態をいいます。 | |
五行とは陰、陽がさらに発展し、自然界に形を表したものでこれには、木(もく)火((か)土(ど)金(きん)水(すい)があります。森羅万象すべてこの五行のいずれかに含まれるのです。五行の行は並ぶという意味で秩序を表しています。これらには、相生関係(相生まれる)、相剋関係(互いに抑制し合う)、勝復関係(再び復する)という三つの関係があります。
相生関係 [そうしょうかんけい]これは親子関係ともいい、互いに生み、生まれる仲の良い関係です。木が燃えて火となり、火が燃えつきて灰となり土となる。土の中から金属を採り出す事で金を生み、金属に水滴がついて水を生み、水によって木が育ち繁茂するとしました。相剋関係 [そうこくかんけい]これは夫婦関係ともいい、互いに抑制し合う関係です。並んでいる五行、木火土金水、で一つ飛んだものを抑える関係です。木が根を張ることで土が崩れないように抑えます。土が土手となって水が氾濫しないように抑えます。また、土で作った器で水が分散しないように保ちます。水は燃えている火を抑え、そして燃えすぎないようにする働きです。火の熱で金属を溶かしてさまざまな物を作ります。金属は刃物となって木を削り、さまざまな物を作り出します。勝復関係 [しょうふくかんけい]これは相剋関係により五行のいずれかに機能の亢進や低下が生じると、平らにし平衡を保とうとする自然循環論です。 例えば「木」の働きが落ちてマイナス状態になると「土」はプラス、「水」はマイナス、「火」はプラス、「金」はマイナス、「木」はプラスとなって機能の亢進状態に復して平衡状態が保たれるとする理論です。これは自然現象のみでなく、人体でも同様です。つまり、自然治ゆ力におけるメカニズムの理論的裏付けとなります。 |